要素技術の推移から見た電卓@ 素子A 表示技術B 印字技術C 入力方式
D 電源E 機能F 薄さプロトタイプモデル

B 印字技術


インパクトプリンタ
ノンインパクトプリンタインクジェットJP-1 (カシオ)
感熱式プリントポケトロニク(キヤノン 1970)

インパクトプリンタ

加算機時代からの印字方式。
活字を組み合わせたドラムとハンマーの間にロールペーパーとインクリボンを挿入してハンマーで打って印字する。
機械的な力を加えて印字するため印字するときはかなりの音が出る。





インクジェット

 ノズルに高電圧をかけ、静電気の引力で瞬時にインクを噴出し文字を描く方式。
インパクトプリンタと比べ音が静かだが、印字速度が遅いこと、ノズルの目詰まりなどメンテナンスが面倒なことから電卓ではあまり普及しなかった。

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JP-1 (カシオ)

日本で最初のインクジェット方式プリンタで、演算桁数15桁、メモリー2組、記録紙の幅が従来になかった138mmで、印字桁数は38桁と最大であった。






感熱式プリント

インクリボンを使わずに制御機構から熱を伝えるドット式の印字ヘッド(サーマルヘッド)で感熱紙に印字する方式。
今でもスーパーやコンビニのレジなどに使われている。

Pocketronic (キヤノン)

1970年に発売された世界で最初の携帯型電卓の1つ。
蛍光管は搭載しておらず、TI社の特許であるソリッドステートサーマルプリンタ方式を採用している。
数字は5×4ドットで、幅6mmのサーマルプリントテープに印字する。
液晶表示はなく、印字したテープが表示部を右から左へ流れることで計算結果がわかるよう工夫されている。
MOS・LSI を3個使用しており、携帯型にもかかわらず12桁までの定数計算が可能だった。
内蔵NiCd電池により連続3時間の使用が可能だった。
日本製。
101(W)×208(D)×49(H)mm。本体820g。テープ 80g。
本体 87,000円。バッテリーチャージャー8,500円。サーマルプリントテープ(80m)350円。

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