| EL-805 (Sharp)
1973年6月に発売されたシャープ液晶コンペット「EL-805」。世界初のCOS化電卓(世界初の液晶電卓)。発売価格は26,800円とライバルのカシオ・ミニ(12,800円)より高かったものの、単三一本で100時間も連続使用できたことからヒットした。この電卓をきっかけに電卓戦争の中心は価格から薄さに移行する。単三乾電池一本で100時間使用できた。厚さ20mm。
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| EL-8010 (Sharp)
1975年4月発売された最初の手帳サイズ電卓。厚さ9mm。9,900円。
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| Pocket-LC (Casio)
1975年10月に発売された手帳サイズ電卓。黄色の液晶。
ボタン電池2個で約80時間使用可能。厚さ12mm。7,900円。
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| EL-8020 (Sharp)
1976年3月に発売された。Gマーク選定商品。
Yellow LCD型の手帳電卓。当時としては世界最薄の7mm。
電界効果タイプの液晶表示装置で、特に低消費電力と長寿命を誇るFEMタイプの液晶表示を使った。
充電式電池が付属し一度の充電で15時間使用できた。
開平機能も付いている。
手帳型ケースはブラウン・レッド・グリーンの3種類ある。
66(W)×109(D)×7(H)mm。65g(電池含む)。7,500円。
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| M-800 (Micro-mini) (Casio)
1976年7月に発売された小型液晶電卓。当時世界で一番小さな電卓といわれた。発売時期により黄色液晶タイプと灰色液晶タイプがあった。
また、発売時期によりボタンの配置やデザインにバリエーションがあった。
43(W)×61(D)×15(H)mm。34g。8,900円(灰色液晶タイプ)
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| EL-8026 (Sharp)
1976年11月に発売された世界で最初の太陽電池式電卓。
受光部は電卓の裏側にある。暗いところではボタン電池を併用。
サイズ 66(W)×109(D)×9.5(H)mm。 65g。
2,4800円。
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| LC-1(Canon)
1976年発売されたキャノンの最初の液晶電卓。黄色液晶を使用。厚さ9.5mm。
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| LC-820 (Casio)
1977年2月に発売された厚さ は6.5mmと当時としては最薄型の電卓。黄色の液晶。1.5Vのボタン電池を3個で1400時間使用できた。
62(W)×110(D)×6.5(H)mm。64g。7500円。
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| EL-8130 (Sharp)
1977年5月に発売された世界で最初のタッチキータイプ電卓。カシオとの戦争を意識し「ボタン戦争は終わった」の広告を展開し評判となった。厚さ5mm。国内だけではなく韓国でも製造されていた。本体はアルミニウム製。
68(W)×124(D)×5(H)mm 65g。8500円。
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| LC-81 (Casio)
1977年5月に発売された厚さ8mmのマイクロサイズ電卓。
6,800円。
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| CX-8179L (Sanyo)
1977年12月に発売された厚さ4.5mmの電卓。
6.500円。
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| LC-78 (Casio)
1978年1月に発売された世界で最初の名刺サイズ電卓。小さいだけではなく、薄さの面でも当時最も薄かったシャープのボタンレス電卓EL-8130の5ミリを下回る3.9mmを実現した。
6,500円。
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| | LC-5 (Canon)
1978年2月に発売された厚さ3.9mm の電卓。
従来のボタン型酸化電池から扁平型のリチウム電池を使用し、プリント版は厚さ0.1mmのポリイミド樹脂を採用、また0,3mm厚のLCDを搭載し4mm の壁を破ることができた。
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| EL-8139 (Sharp)
1978年2月に発売された。ボタン電池。厚さはCasio LC-78 とCanon LC-5の3.9mmを下回る3.8mm。当時の価格4,900円。
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| EL-8140 (Sharp)
1978年6月に発売された。ボタン電池。厚さはEL-8139と同じ3.8mm。当時の価格7,000円。
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| LC-6 (Canon)
1978年8月に発売されたカードサイズの薄型電卓。キャノンの電卓としては初めて厚さ3mm を下回る2.9mmを達成した。
真ん中の丸い部分はボタン電池を入れる場所。
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| LC-79 (Casio)
1978年11月に発売された。キャッシュカードサイズ 厚さなんと2mmの極薄ミニカード。軽く触れるだけのタッチキー方式を採用。
54×85×2mm。31g。電池寿命200時間。
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| LC-785 (Casio)
1978年11月に発売された名刺サイズ電卓。厚さはLC-78と同じ3.9mmだが、液晶が黄色液晶から灰色液晶に替わり、価格も4,900円とLC-78に比べ1,600円安くなった。AUTO POWER-OFF機能も付いた。
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| LC-7 (Canon)
1979年2月に発売された厚さ1.9mmのカード電卓。
当時世界で最も薄かったのは前年11月に発売されたカシオのLC-79で厚さは2.0mmだったがLC-7はそれを0.1mm下回った。ボタンは薄型化を図るため押しやすさを犠牲にされる傾向があるが、LC-7についてはゴムでできており間隔も広く、押しやすい。
機能としては、8桁、1メモリー、√、%、±キーの他、オートパワーオフ機能も付いており、リチウム電池1個で2,000時間使用することができた。
価格は本体価格が5,500円で、これに400円のケースが付属し、5,900円で販売された。
色は青、黒、シルバーの3色。
54(D)×84(W)×1.9(H)mm。
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| EL-8152 (Sharp)
1979年3月に発売された。厚さ1.6mmと当時世界で最も薄く電卓の薄型化の極限といわれた。
薄さだけではなくデザインも優れており、ニューヨーク近代美術館のパーマネント・コレクションにも選定されている。非常に洗練された電卓である。
7,900円。
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| LC-80 (Casio)
1980年2月に発売された。厚さ1.6mmと当時世界で最も薄い電卓であったシャープのEL-8152と同じ薄さを実現した。
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| SL-800 (Casio)
1983年4月に発売されたカードタイプ電卓。名詞サイズ(幅85mm、奥行54mm)で厚さがわずか0.8mm、重さが12グラムと軽薄短小の極致を実現した電卓。20年前20キロ近くあった電卓が激しい技術革新の結果ついにこの水準までたどりつくことができた。記念碑的電卓。MOMA の永久所蔵品にもなっている。5,900円。
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| EL-900 (Sharp)
Casio SL-800 から一年半後、1984年12月にシャープから発売された厚さ0.8mmのカード型電卓。85.5(W)×54(D)×0.8(H)mm。7800円。
電卓の薄型化競争はEL-900の発売で終わる。
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シャープとカシオ
シャープとカシオは同じ電卓メーカーでありながら経営や技術についての考え方はきわめて対照的であった。
両者の考え方の違いはまずLSIについての考え方にみられる。
シャープはLSIの生産から設計まで一貫して自社で行っているのに対し、カシオは、他社から購入したLSIを使っている。シャープは、電卓の小型化という開発方向からみて、半導体を他社に依存していたのでは、たちまち秘密が漏れ、製品差別化路線の実効が上がらない。思い通りにLSIの設計を進めるためにも、自社生産がよいとの考え方である。これに対し、カシオは半導体専業メーカーと協同開発する方が半導体メーカーの研究を期待できるので望ましいし、半導体メーカーを競い合わせることで価格面でも十分対応できると考える。
電卓の生産工程にしてもシャープがLSI、液晶素子からの一貫生産体制を確立し、生産ラインの自動化を徹底させるのに対し、カシオはパーソナル電卓の生産をセイヨー電子、協和化学などの関連会社に移し本体は高付加価値品生産にシフトした。
人材面では、シャープは外部から優秀な人材をスカウトしたのに対し、カシオは外部からの人材をとることなく生え抜き一本の考え方をとっている。
両者は電卓開発の非常に早い段階から激しく競争し、勝者と敗者が何度も交代した。しかし両者とも独創を大切にし、他者がヒット商品を出しても安易にそれに追随しないという気概を持っていたという点では共通していた。両者とも「他社のマネをするな」「他社よりも一歩先をゆけ」というかけ声の下激しい競争を展開した。こうした前向きの取り組みが両社が電卓分野においてリーダーとしての位置を占めてきた理由でもあった。 |
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