Pocketronic (Canon)

ポケトロニクは、1970年に発売された製品として市場に出回った最初のポケット電卓である。
世界で最初のポケット(携帯型)電卓は、1967年テキサスインスツルメント(TI)社が開発したCaltechである。充電池を内蔵しており、携帯が可能だった。これは、LSIチップ応用製品として同社のチップ販売の宣伝材料に使われ、実際に販売はされなかった。キヤノンはTIからCaltechの技術を購入し、ポケトロニクを製造、販売した。1970年4月に世界3カ国で同時に発表し、5月から7月にかけネーミング募集キャンペーンを実施し、「キヤノン・ポケトロニク」と名称が決まった。同年10月にキヤノン初のLSI機、または世界初の携帯機として日本から販売を開始した。ポケトロニクのスペックは基本的にCaltechと同じだが、LSIをバイポーラ型からMOS型に変更している。ディスプレイはなく、サーマルプリンターに印字した。このサーマルプリンターは、その後各種プリンターとして発展、ノンインパクトプリンターの一つとして、多く使用された。ポケトロニックは、翌年米国でも発売され大きな人気を博した。




日経新聞広告(1970年5月14日)




Pocketronic

1970年に発売された世界で最初の携帯型電卓の1つ。
蛍光管は搭載しておらず、TI社の特許であるソリッドステートサーマルプリンタ方式を採用している。携帯型にもかかわらず12桁の定数計算が可能だった。MOS・LSI を3個使用しており、内蔵NiCd電池により連続3時間の使用が可能だった。
日本製。
101(W)×208(D)×49(H)mm。本体820g。テープ 80g。
本体 87,000円。バッテリーチャージャー8,500円。サーマルプリントテープ(80m)350円。

→電子科学1970年7月号記事



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Pocketronic U

10桁の定数計算が可能。
MOS・LSI使用。内蔵NiCd電池により連続5〜6時間の使用が可能。
アメリカ製。
102(W)×200(D)×49(H)mm。本体及びテープ 700g。
本体(バッテリーチャージャーつき) 34,800円。

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MONROE 10

1972年にMONROE社より発売されたCanon Pocketronic のMONROE 社へのOEMバージョン。
価格は$379。

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