手帳型電卓 (シャープ)

シャープは世界で最初にCOS-LCDを開発したが、その余勢により液晶の特徴を生かした薄型の手帳型電卓を積極的に製造販売した。
この中には、世界最初の太陽電池式電卓やタッチキータイプの電卓の他、MoMAの永久保存品となるような美しい電卓などもあった。







EL-805以降の電卓の薄型化の動向
The process of slimness of EL Series calculator after EL-805.

1973EL-805\26800World first COS-LCD calculator(20mm thick).
1975EL-8010\9900Pocketbook type calculator (9mm thick).
1976EL-8020\75007mm thick

EL-8026\24800World first solar power calculator (9.5mm thick).
1977EL-8130\8500World first touch key type card calculator (5mm thick).
1978EL-8140\70003.8mm thick.
1979EL-8152\79001.6mm thick. (Permanent collection of MOMA.)
1985EL-900\78000.8mm thick.






Casio wallet type calculator
Canon wallet type calculator
Other wallet type calculator



EL-8010

1975年Gマーク選定商品。
COS-LCD型、厚さ9mmの薄型手帳電卓。
充電式電池、酸化銀電池、AC電源の3電源方式。一度充電すると8時間使用可能。ボタン電池だと2個で25時間使用できた。色はシルバー。1975年発売。
76(W)×129(D)×9(H)mm。100g (電池含む)。9,900円。

EL-8010








EL-8110

EL-8010発売の翌年1976年に発売された。EL-8010に平方根機能とメモリー機能がついたもの。
充電式電池、酸化銀電池、AC電源の3電源方式。一度充電すると8時間使用可能。ボタン電池だと2個で25時間使用できた。色はゴールド。
76(W)×129(D)×9(H)mm。100g (電池含む)。9,900円。

EL-8110






Courtesy of Mr.T. Hirano




EL-8020

1976年Gマーク選定商品。
フィルム上にLSIをワンタッチで植え込むフィルムキャリア方式のLSIを世界で初めて採用した電卓。当時としては世界最薄の7mm。
電界効果タイプの液晶表示装置で、特に低消費電力と長寿命を誇るFEMタイプの液晶表示を使った。
充電式電池が付属し一度の充電で15時間使用できた。
開平機能も付いている。

手帳型ケースはブラウン・レッド・グリーンの3種類ある。
66(W)×109(D)×7(H)mm。65g(電池含む)。7,500円。

EL-8125

EL-8025 にメモリー機能が付いたもの。
ボタン電池 3個使用。連続使用で約1000時間使用可。
幅 66(W)×109(D)×7(H)mm。60g。
シリアルNo.6208135X。








EL-8034

黄色液晶。単4電池 2個使用で約30時間駆動。
1978年発売。






EL-8026

1976年に発売された世界で最初の太陽電池式電卓。受光部は電卓の裏側にある。
充電式のボタン電池を内蔵しており、暗いところでも使用ができた。サイズ 66(W)×109(D)×9.5(H)mm。 65g。
当時の価格2万4800円。
同じく世界で最初の太陽電池式電卓と呼ばれるものに TEAL社のPHOTONV がある。

2010年シャープの太陽電池の技術が世界最大の技術者団体「電気電子学会(IEEE)から、社会や産業に貢献した歴史的な業績をたたえる「マイルストーン」に認定された。受賞の対象は1959年から83年の太陽電池事業。
シャープは1959年から太陽電池の開発を始め、63年にいち早く量産化に成功するなど、商業化と産業化に貢献したことが評価された。創業者の早川徳次氏は「太陽の熱や光を有効利用できないか」と着目。灯台や人工衛星に搭載され、過酷な環境で実績を積み重ねた。EL-8026はシャープの太陽電池開発の中で1976年に生まれた世界で最初の太陽電池付き電卓である。

<シャープの太陽電池の商業化および産業化の歴史 1959年〜1983年>
1959年 太陽電池の研究開発に着手
1963年 単結晶太陽電池の量産化に成功
1966年 長崎県尾上島の灯台に当時世界最大225Wの太陽電池モジュールを設置
1967年 宇宙用太陽電池の開発に着手
1976年 実用衛星「うめ」へ搭載
1976年 世界で最初の太陽電池付き電卓EL-8026を発売
1983年 アモルファス太陽電池の開発に着手

※IEEE(アイ・トリプル・イー) : 米国に本部を置く世界最大の電気電子技術学会。マイルストーンは歴史的な偉業をたたえる表彰制度で、日本では、東海道新完成や富士山頂レーダーなど14件が受賞した。シャープは2005年の電卓に続き、日本企業初の2件目の受賞。






EL-8128

73mm×124mm×7.6mm。65g。1977年発売。6,500円。










EL-8130

1977年に発売された世界で最初のタッチキータイプ電卓。ボタンをタッチキーにすることで5mmの厚さを実現した。
シャープは「ボタン戦争は終わった」の広告を大々的に展開した。本体はアルミニウム製。
非常にヒットし日本の他韓国でも生産された。
68(W)×124(D)×5(H)mm 65g。8500円。



左下にあるのはスピーカ


EL-8030

1977年に発売された。
67.2(W)×116.4(D)×5(H)mm 70g。5980円。







EL-8036A

1978年に発売された。
68(W)×117(D)×5(H)mm 63g。5,800円。







EL-5808

1979年に発売された8桁関数電卓。
33関数を搭載している。
10,800円。



EL-8133

ボタン電池 2個使用。
シリアルNo.847。

2 button cell.1000 hours use.
Serial No.847.








EL-8135

酸化銀電池 2個使用。
連続使用約2000時間。
5,500円。









Photo courtesy : Mr.T.Iwasawa

EL-8147

1978年10月に発売された時計機能付き8桁電卓。
単4電池2個使用。
5,900円。

取扱説明書


EL-8149

1,000時間利用可能。
4,500円。1979年発売。








EL-8153

リチウム電池2個で約700時間使用可能。8桁液晶タッチキー。
69mm×118mm×5.2mm。70g。1979年発売。4,500円。








EL-8156

換算機能付電卓。
酸化銀電池 2個使用。
連続使用約3,000時間。








EL-5806

1977年12月に発売されたピタゴラスシリーズの関数電卓。
39関数。統計・極座標変換機能が付いている。
ボタン電池2個使用。
69mm×126mm×7.6mm。65g。10,800円。





Phote courtecy : Mr.I.Kimura

EL-5103

1980年10月に発売された10桁63関数文字電卓。表示は13桁。
ドットマトリクス表示で英字表示も可能。
式を記述順に入力でき、カッコも使えるうえ、計算後にまた式に戻って
修正し、再計算が可能という、当時の電卓としては先進的な機能を有し
ていた。
ボタン電池3個使用。
69mm×128mm×7.8mm。80g。
10,800円。

液晶は黄色液晶だが、1983年7月には液晶が灰色液晶に換装さ
れた姉妹機EL-5103Sが同じ価格で発売された。








EL-315

自動節電方式。








EL-8150

1979年に発売された。ソフトタッチキー採用の電卓。
5,500円。







EL-819S

EL-8150と同じタイプ。




EL-328

1980年9月に発売された音階機能の付いた電卓。
4,200円。





EL-832

1981年2月に発売された。
3,500円。






EL-834






EL-838

ボタン電池 2個使用。







EL-838SE

手帳型型ソーラー電卓。








EL-858

手帳型型ソーラー電卓。
カバーは別のものを使用。







EL-821S

1981年7月に発売された8桁カードサイズ電卓。
サイズ91(W)×54(D)×4.5(H)mm。
32g。
当時の価格3,500円。

カード電卓







RV-810C (CABIN)

1980年2月に発売された。CABINのデザインをあしらったキャビンフェイスシリーズの一つ。フェザータッチキー使用。名詞サイズ。手帳型ケース付き。
4.5(H)×54(W)×91(D)mm。32g。ボタン電池2個使用。700時間使用可能。3,800円。

他に太陽電池つきEL-826C(\4,800)、時計付きEL-401C(\5,300)がある。
(カバーはEL-401Cのもの)







EL-401C (CABIN)

1980年11月に発売された。
RV-810Cに時計機能が付いたもの。
5,300円。




RV-812

1982年2月に発売された。
54(W)×91(D)×4.5(H)mm。29g。
3,000円。

(カバーは別の電卓のものを使用)





EL-867

1984年7月に発売された8桁折りたたみタイプ電卓。
サイズ85.5(W)×117.5(D)×5.3(H)mm (開いた時)。 40g。当時の価格3,500円。







EL-325

手帳型型ソーラー電卓。






EL-350

1984年発売。
3,500円。







EL-355

1985年発売の手帳型型ソーラー電卓。太陽電池が初期の型。2,800円。








EL-515

1982年発売の手帳型型ソーラー電卓。10桁液晶50関数。太陽電池が初期の型。
69(W)×142(D)×7.8(H)mm。80g。8,000円。







EL-826

1980年8月発売の初期の手帳型型ソーラー電卓。
発売時期によりデザインが若干異なる。
4,500円。













EL-401

時計機能とストップウオッチ機能を持った電卓。
シリアル No.072。








EL-408

時計機能とストップウオッチ機能を持った電卓。
5,000円。1981年。








パールホワイトシリーズの電卓

パールホワイトシリーズは、白色を基調にしたファッショナブルな電卓と時計のシリーズ。
電卓が世に出て二十年近くたち、ビジネスマンや学生層を中心にかなり普及する中で
シャープは「機能充足からファッションを前面に打ち出す必要がある」と判断、白を強調し女性層や贈答市場をねらいこのシリーズを発売した。
キーワードは、「女性のハンドバッグにも似合う電卓を」。
小型、薄型、太陽電池付きと次々に機能を追求してきた電卓が、ファッション性でさらに需要拡大を図ろうとしたもの。
電卓は6種類全てがGマーク商品に選定されている。
価格は、たて型カードサイズ電卓「EL―850」が3,500円、タイピンウオッチ「CT―707」が9,000円など従来品より一割程度高い設定となっている。
電卓四機種で月産三十万台、時計は三機種で月産三万台を予定していた。



Pearl-white シリーズ一覧
EL-850名刺サイズ3500円
EL-450クオーツ時計つき5000円
EL-852太陽電池つき4500円
EL-854 太陽電池つき
薄型1.6mm。
5800円
EL-851名刺サイズ・ヨコ型3500円
EL-853太陽電池つき・ヨコ型4500円

EL-450 (上)、EL-852 (左)、EL-851 (下)

EL-450 (Pearl-white Series)

1982年3月に発売された。
時計機能とストップウオッチ機能を持つ。
54(W)×91(D)×6.4(H)mm。40g。
5,000円。




EL-850 (Pearl-white Series)

1982年3月に発売された。
54(W)×91(D)×5.3(H)mm。39g。
3,500円。

EL-852A (Pearl-white Series)

1982年3月に発売された。
54(W)×94(D)×5.3(H)mm。33g。
4,500円。
このEL-852AはEL-852と同じスペックだが、「寿」の文字が電卓の表とカバーに付いている。
おそらく結婚式の引き出物に使われたもの。





EL-854 (Pearl-white Series)

1982年6月に発売された。厚さ 1.6mm の薄型電卓。
ベースは前年10月に発売された EL-835。
54(W)×96(D)×1.6(H)mm。38g。
5,800円。




EL-851 (Pearl-white Series)

1982年3月に発売された。
91(W)×54(D)×5.3(H)mm。33g。
3,500円。




EL-W10

四捨五入、切捨て、小数点指定(F、3、2、0、A)機能が付いた10桁電卓。
本体手帳貼付タイプ。4,900円。

(カバーは別のもの)




EL-W12

四捨五入、切捨て、小数点指定(F、3、2、0、A)機能が付いた12桁電卓。
68(W)×124(D)×7(H)mm。57g(ケースは除く)。
本体手帳貼付タイプ。5,900円。

WN-100 (Wondertopia) (Sharp)

1981年発売されたゲーム電卓。体調・反射神経テスト、サイコロ振り(電子サイコロ)、コイン投げ機能が付いている。
アルカリマンガン電池2個あるいは酸化銀電池2個使用。600〜1000時間使用可。
幅65×奥行118×高さ7.5mm。75g。3,900円。

Game calculator


WN-104 (Wondertopia) (Sharp)

1982年に発売されたゲーム電卓。
四柱推命占い機能が付いている。
4,900円。

Game calculator

WN シリーズ
WN-100 スロットトライ
エレクトロダイス
エレクトロコイン
1981年\3,900
WN-101パズル電卓1982年\3,900
WN-102デジタルスパイU1982年\3,900
WN-103 時計付
デジタルスパイT
1982年\4,500
WN-104四柱推命占い1982年\4,900
WN-105出世街道1982年\4,900
WN-106戦略思考ゲーム1982年\4,900

IQ-150

1981年に発売された電子辞書電卓。英和と和英の機能が付いている。このため内部は非常に手の込んだものとなっている。65(W)×115(D)×8.8(H)mm。重量70g。ボタン電池3個使用。連続使用時間約600時間。当時の価格は9,980円。青の他に赤タイプもあった。



IQ シリーズ一覧
IQ-150電子辞書
IQ-600音声電子辞書
IQ-3000電訳機
IQ-5000音声電訳機







EL-8160

1979年に発売された。
ドットマトリックス表示技術を最初に採用した世界で最初の文字電卓。
ドットマトリックス表示方式を採用したことでモザイク型の数字表示に比べ自然な形で見やすく表示することが可能となり、文字、計算式表示も可能となった。

64(W)×117(D)×5.4(H)mm。77g。
6,900円。

(写真の手帳カバーは別の電卓のもの)














PA-300

1985年に発売された電子メモ POCKET DB(データベース)。
2KBの記憶容量(約150人分の電話番号が入力可能)を持っていた。
64(W)×114(D)×6.8(H)mm。73g。
13,800円。



PA-301

PA-300発売と同じく、1985年に発売された電子メモ POCKET DB(データベース)。
4KBの記憶容量(約320人分の電話番号が入力可能)を持っていた。
64(W)×114(D)×6.8(H)mm。73g。
17,800円。


他に本皮手帳ケースの付いた PA-300D(19,800円)、
折りたたみタイプのPA-320(15,800円)
が同時発売された。




EL-346

1983年に発売された8桁ハードカバー付き携帯電卓。太陽電池。
3,900円。





EL-326L







EL-8152

1979年に発売された。当時の価格は7900円。
厚さ1.6ミリと当時世界で最も薄く電卓の薄型化の極限といわれた。
薄さだけではなくデザインも優れており、ニューヨーク近代美術館のパーマネント・コレクションにも選定されている。かって発売された電卓の中で最も美しい電卓の一つ。
海外で発売されたものは、ケースにEL-8152Aと書いているが、本体はEL-8152である

デザインは江崎哲氏と小林善明氏が担当した。江崎哲氏によれば、EL-8152 については表面を滑らかにするため基盤を裏返しにするというアイデアが取られた。デザインは斬新であったが期待ほど売れなかったとのことである。

下は、EL-8152の原型デザインモデルの写真。現物は、バラバラにされ廃棄されたため残っていない。

Photo courtesy : Mr.Akira Ezaki

プロトタイプモデル

EL-8152 の厚さは1.6ミリとのことだが、これは最も厚い部分(表示部分)の厚さではなく、専有面積が最も広い部分(キーボードの部分)の厚さをもって電卓の厚さとしているとのことであり、注意が必要である。






TELEGRAPH SUNDAY MAGAZINE





EL-835

1981年10月に発売されたシャンペンゴールドの薄型電卓。
翌年表面を白く塗装し、パールホワイトシリーズ EL-854 として発売された。
54(W)×96(D)×1.6(H)mm。38g。
5,800円。