東芝 ポケット電卓

東芝もかっては電卓を生産していた。
初期の東芝の電卓にはBCシリーズとHomelandシリーズがあり、BCシリーズのラベル表示が"Tokyo Shibaura" となっているのに対しHomeland シリーズは"Toshiba Business Machine" となっている。
"Tokyo Shibaura" は当時の東京芝浦電気(現在の東芝)を表しており、"Toshiba Business Machine" は当時東京芝浦電気の関係会社であった東芝ビジネスマシン(現在の東芝情報機器)を表している。おそらく東京芝浦電気の製造した製品を東芝ビジネスマシンが自社のブランド名であるHomelandブランドで販売していたと考えられる。


イタリアで発売された東芝のパンフレット






BC-0801B (Toscal mini)

1972年に発売された東芝の最初の小型電卓。トスカルシリーズでははじめてのバッテリ付きで、演算素子として1チップLSIを採用したため、小型軽量化に成功した。

AC,DC 2電源 混合計算や定数計算ができる浮動/指定小数点方式。
105(W)×165(D)×46(H)mm。重量 480g。
1972年発売。当時の価格49,800円。

世界で最初のワンチップポケット電卓は、1971年1月に発売されたビジコンLE-120A であるが、BC-0801Bは一年後の1972年1月に発売された。特に東芝が独自に開発したチップを使っていた点は特筆に価する。価格もLE-120Aが89,800円なのに対し、BC-0801Bは49,800円とかなり割安だった。



Courtesy of Mr.T. Hirano






BC-0802

1972年に発売された。愛称ミニトスカル。
サイズとしてはハンディタイプだがAC電源のみ。
8桁蛍光表示管。指定(0、2)小数点、浮動小数点選択可能。
ボタンの形状は初期のトスカルのデザインを引き継いでいる。

130(W)×210(D)×54(H)mm。
1.2kg。
当時の価格38,500円。

8桁電卓の価格競争

発表
会社
機種
価格
1971年6月
立石電機オムロン80049,800円
シチズン事務機 シチズンエイト
(オムロン800)
49,800円
9月
カシオ計算機カシオ AS-838,700円
シルバービジネス シルバーリード SE-60
(カシオ AS-8)
38,700円
11月
コクヨ コクヨ電子ソロバン KC-80A
(シャープOEM)
36,900円
三洋電機サコム8039,500円
シチズン事務機シチズンエイトD45,800円
12月
東芝トスカル080238,500円
ビジコンビジコン 80-DA33,700円
立石電機オムロン800D44,800円


BC-0803B

1973年に発売された。
当時の価格 37,500円。





BC-0805B

1973年に発売された。
当時の価格 24,500円。






BC-0811B





Photo courtesy : Mr.T.Yoshida

BC-1215

LSI電卓。

154(W)×227(D)×54(H)mm。1.2kg。


Courtesy of Mr.T. Hirano





BC-0806B

1973年に発売された 8桁トスカルミニ。
C-MOS LSIを使用。ふたがついている。単三電池4本使用。77(W)×37(H)×113(D)mm。250g。38,500円。

アラスカに輸出され使われていたものをebayで落札した。

小型電卓



BC-0808B

BC-0807B




BC-601L

1974年5月に発売されたパーソナル電卓。
6桁表示にもかかわらず12桁までの加減乗除が可能。
MOS-LSI 1個使用。
単三電池4本若しくはACアダプター使用。
78(W)×32(H)×150(D)mm。250g。
12,800円(ACアダプター別売)。



BC-603L (12 degit Toscal mini)

BC-603LはBC-602Lとともに1974年末に発売された。
両者はともにディスプレイの部分が円形という変わったデザインをしている。
BC-602Lは、6桁機で初めてパーセント(%)機能を、BC-603Lは、同じく初めて開平(√)機能を持っていた。
表示は6桁ながらシフトキーで四則演算は12桁表示。

81(W)×32(H)×150(D)mm。 重量250g。
価格12,800円。
(BC-603L、BC-602Lとも同じ)


BC-812

LED表示。電池は単3電池4本を頭の部分に入れる。

ギリシャに輸出されたもの。



BC-813


BC-815

1975年に発売された8桁ハンディタイプ電卓。
東芝100年記念推奨品。
1チップMOS-LSI電卓。
単3電池4本。
8,900円。
170(D)×83(W)×26(H)mm。270g(乾電池込み)。

同じく1975年にメモリーの付いていないタイプBC-8012が7,800円で発売された。






BC-8018




BC-8019

1977年に発売された。
単三電池2本またはACアダプター使用。
1チップCMOS-LSI電卓。
単3電池2本。
3,300円。
135(D)×78(W)×23(H)mm。180g(乾電池込み)。






BC-8110

表面がアルミ製の非常にスリムな電卓。
単三電池一本またはACアダプター使用。
シリアルNo.60912947.




BC-8013

BC-8013 は、8桁%、√キー付きで5,200円。
BC-8014 は、8桁%キー付きで4,600円。
ともに東芝設立100年記念推奨品。


83(W)×22.5(H)×131(D)mm。
180g (乾電池含む)。
単3電池2本使用。








BC-8113

1977年発売された。
BC-8013にメモリー機能の付いたもの。
83(W)×22.5(H)×145(D)mm。
190g (乾電池含む)。
単3電池2本使用。3,950円。



HB-101

液晶8桁。
1982年発売。
1980円。



BC-1014PV

Portable printing calculator



Homeland (Toshiba Business Machine)

東芝ビジネスマシン (Toshiba Business Machine : 現在の東芝情報機器)は当時東京芝浦電気の関係会社で東芝製の電卓の販売を行っていた。

Homeland 80A (Toshiba Business Machine)

単3電池4本またはACアダプターを使用。
ビニールのケースに入った状態で使う珍しいタイプ。
CPUはNECのD271D K2Z136 が使われている。











Photo:Hideki.Fukuo

Homeland 80D (Toshiba Business Machine)

LED表示の小型電卓。
9Vの電池を使用。
英国 Kovac 社へ LE-808P としてOEM供給された。


電源 DC:乾電池 S-006P(9V)×1
AC:本製品用ACアダプター(別売り)
消費電力:0.06W
外形寸法:本体 巾59×奥行105×高さ33mm
重量:本体 115g




LE-808P (Kovac) (Homeland 80D)

Kocac 社は英国の企業。
LE-808Pは東芝のOEM (東芝)。
本電卓はアルゼンチンで使われていたもの。
CPUはTI製 "TMS0803NC 7417"。
ディスプレイはBowmar製。



Homeland 82R

東京電子応用研究所 (Tokyo Electronic Application Laboratory)が発売したポケット電卓
TECHNIPET 813の東芝ビジネスマシン社へのOEM。





Homeland 80K

当時東京芝浦電気の関係会社であった東芝ビジネスマシン(現在の東芝情報機器)が販売した小型電卓。
SUNTORYが配布したそろばん付き電卓の電卓部分にはこの80Kが使われている。。

小型電卓
ソロカル




Homeland 801

・消費電力:0.35W
・外形寸法:巾75m/m×奥行147m/m×高21m/m
・重量:150gr(乾電池含む)




付属品


Photo:Hideki.Fukuo

Homeland 807

この電卓のカラーはVictor社がよく用いているカラーとよく似ている。
おそらく日本のメーカーがVictor社にOEM供給している電卓を東芝ビジネスマシン社が自社ブランドで国内向けに販売したものとみられる。

単3電池2本使用。




Homeland 8003



Homeland 8006




Homeland 8008

TEAL826と同じシリーズ。
内部のスタンプをみると826は1977年6月なのに対し8008は1977年2月。
LSIは826が三菱なのに対し8008はNECとなっている。

東芝ビジネスマシン社は東芝の販売子会社であったことから製造はTEAL社が行い、HOMELANDブランドで販売されたと推測される。

単3電池×2 又はACアダプター。
80(W)×124(D)×21(H)mm。
140g。




Homeland 8009



Homeland 8011




Homeland 8013



Homeland 8107






Homeland 8113





Photo courtesy : Mr.T.Iwasawa

Homeland CQ-803

カシオの CQ-81 と極めて似たデザインの電卓。
"CQ (Computer Quartz)" というネーミングはカシオがよく使っていたことからカシオのOEMではないかと推測されるが詳細は不明。

CQ-803の方が全体にサイズが大きく重い。
77(W)×135(D)×45(H)mm。 135g

またCQ-81 は日本でい生産されたが CQ-803 は台湾で生産された。

取扱説明書


トランプ (Toshiba)

東芝のノベリティグッズ。
電卓は左から LC-842 SLC-8261 LC-847 HB-101。