三洋デスクトップ電卓 (Sanyo desktop calculator)

三洋電機が電子式卓上計算機(電卓)を市場に送り出したのは196610月、大阪で開催されたビジネスフェアにオールシリコントランジスタ採用の1号機DK-141型を出展したのが最初である。19684月にはわが国初のLSI採用のICC-141型(25万円)、ICC-161型(30万円)を発表し技術の優秀ぶりを誇示したが、商品としては1969年初め頃まで試販の域を出なかった。
 しかし1969年からは電卓商戦に本腰を入れ、同年4月には全回路をLSI化した超小型で、カドニカ電池内蔵のコードレス電子ソロバン「サコムミニ」ICC-81D型を発表、19705月には超小型(高さ50ミリ、幅135ミリ、奥行210ミリ、当時世界最小)電子ポータブル計算機ICC-82D(115,000円)をそれぞれ発売して、商品陣に有力機種を加えていった。この結果、電卓の生産台数は、輸出の急増も加わって、1970年下期から急増し、1971年には前年の4倍増の16万台を突破した。
 1975年頃から、小型のパーソナル電卓は普及率60%を超えるといった状況を背景に厳しい値下げ競争を展開し、業界に整理淘汰の波が押し寄せるようになったが、この間にも技術開発に努め数々の新製品が送り出された。197512月には三洋における液晶技術実用化第1号商品として、液晶電卓CX-8028L(12,800円)を197612月には三洋独自のリチウム電池応用の第1号商品として、リチウム電池2個を組み込んだ厚さ6ミリ(当時世界一の薄さ)の液晶電卓CX-8176L型(8,500円)を、197212月には厚さ4.5ミリの液晶電卓CX-8179L型(6,500円)をさらに19787月には厚さ2.9ミリ(当時世界一の薄さ)の超薄型液晶電卓CX-8181L[6,800円)をそれぞれ発売した。

 

DK-141

 196610月、大阪で開催されたビジネスフェアに出展された三洋電機初の電卓。シリコントランジスタを採用。

トランジスタを890本、ダイオードを2840本使用し、16kgあった。

キーボード, コンピュータ が含まれている画像

自動的に生成された説明テキスト

自動的に生成された説明テキスト

自動的に生成された説明テキスト が含まれている画像

自動的に生成された説明





モザイク式表示管が点灯したところ

Phote courtecy : Mr.T.Yoshida

日経新聞 1969921日広告

ICC-141

 19684月に発売された三洋電機最初の14桁電卓。世界で最初にLSIを搭載した電卓でもある。
同時に12桁のICC-121型、16桁のICC-161型も発売された。
これらのシリーズは、電源、表示部を除く、演算、制御、記憶の各装置に全てバイポーラICが用いられており、重量はトランジスタを使った製品に比べ1/2 に軽量化されている。
また、141型は米国フィルコ・フォード社製のLSI (デュアル50ビット)3個を記憶装置(メモリー)に使用している。(161型は、同じくフィルコ・フォード社製のLSI (デュアル64ビット)を3個搭載しているが、121型はLSIを使用していない。)
さらに、電卓の表示部門には同社で開発したモザイク式表示管を使用した。モザイク式表示管は放電管に比べ見やすく、かつ寿命が長く、信頼性も一段高いという利点があった。

価格は12120万円。14125万円。16130万円。
国内では日本事務機が販売を担当した。

ICC-141の規格
キー テンキー方式
表示 モザイク式数字方式14
演算素子 MOS LSI/3ケ BIPOLAR IC/162ケ トランジスタ/111本 ダイオード/470
消費電力 27W
外形寸法 130(H)×290(W)×372(D)mm
重量 7.3kg


注)説明書では141型の場合、LSI3ケということであるが、分解してみると2ケしか見つからない。当時の発表資料をみると2ケというものもあり、混乱が見られる。こうした混乱の原因はわからない。

 

 

 

141に使われたLSI
LSI
の型番はNS SM7194NS SM7194

 

基板の写真。No.8No.9LSIが搭載されている。

No.1

No.2

No.3

No.4

No.5

No.6

 

 

 

No.7

No.8

No.9

 

モザイク式数字表示

Phote courtecy : Mr.T.Yoshida

ダイアグラム が含まれている画像

自動的に生成された説明タイムライン が含まれている画像

自動的に生成された説明文字の書かれた紙

中程度の精度で自動的に生成された説明


Phote courtecy : Mr.Toshiro Hata

ICC-1211

1970年に発売された。
MOS-IC
を採用し、コンパクト化を実現した。
ポーランド方式を採用。
139,500
円。


日本経済新聞 1970.8.26.

 


ICC-144

19702月に発売された。
139,500
円。






→電子科学1970年7月号記事

ICC-143


CY-2151

カレンダー

自動的に生成された説明文字の書かれた紙

自動的に生成された説明


Phote courtecy : Mr.Toshifumi Yamamoto

CY-51000P (SANYO)

三洋電機製デスクトップ電卓。

ICC-1415P


ICC-1217B

ICC-1416

 

 

ICC-1681PT

ICC-1682PT

ICC-163P/163PS

 

マシーン が含まれている画像

自動的に生成された説明

ダイアグラム が含まれている画像

自動的に生成された説明