Sinclair calculator

先進的で斬新なデザインで有名な英国の電機メーカー。創立者のシンクレア卿は英国のスチーブジョブ若しくはビルゲイツともいわれている。彼は1971年米国テキサスインスツルメンツ社を訪ね同社が新しく開発したLSIチップを英国に持ち帰った。彼はそのチップを使いいくつもの非常に小型の電卓を開発した。最初の電卓はExecutive で初期のものは組み立て済み以外に組立前のキットも売られた。その後1977年には細長いデザインのSovereign が発売され、そのユニークなデザインは人々を驚かせた。Executive はその後の手帳タイプの電卓の走りとなり、 Sovereign はリモコン型電卓の走りとなった。両社はともにMOMA のパーマネントコレクションに選定されている。同社は電卓の成功をもとに1980年代にはパーソナルコンピュータの分野へ進出していくが、最後には事業につまずき倒産する。

1972

Executive

1973

Cambridge

Executive Memory

1974

Cambridge Memory

Scientific

Cambridge Universal

1975

Gillette GPA model PC-1

Oxford 100

Oxford 150

Oxford 200

Oxford 300

Scientific programmable

1976

Oxford Scientific

1977

Cambridge (pregnant) programmable

Sovereign (black)

Sovereign (silver)

Sovereign (gold)

Sovereign (Silver Jubillee)

1978

Enterprise

President

President scientific

DIY wrist calculator

1979

Enterprise programmable

 

Executive

 Executive 1972年8月にシンクレア社が発売した最初のポケット電卓である。
世界で最初のポケット電卓は、19711月に発売されたBusicom LE-120A であるが、Executive は厚さが9mmと極めて薄く、軽い(65g)点に特徴がある。
 両者をと比較した場合、ディスプレイ、キーボード、電源などの面ではLE-120Aの方が技術的に優れており、製品の信頼性、安定性、使いよさの面でもLE-120Aの方が上回っている。しかし、Executive は非常に薄く、かつ軽く、背広のの胸ポケットに入れても全く違和感を感じないといった特徴がある。その意味でExecutive はポケットに常時入れ、携帯する「手帳型電卓(Wallet type calculator)」のはしりとみたほうがよいかもしれない。
 デザイン的にも優れており、数々のデザイン関連の賞を受賞するとともにMOMAのパーマネントコレクションにも選定されている。
 当時の価格は79.95ポンドと非常に高価ではあったが爆発的に売れ、Sinclair は莫大な利益を手にしたといわれる。

 

日本では、レオ貿易東京株式会社というところが輸入し46,500円で販売した。リーフレットには、ヴァンジャケット社長の石津健介氏が「“ファッション屋”の感覚でとらえてゆくアクセサリーズの一つとして、我々の手で一つ一つ大切に売ってゆきたいと願っている。」と書いていることから同社は、ヴァンジャケットの関連会社と思われる。

ナイフ が含まれている画像

自動的に生成された説明グラフィカル ユーザー インターフェイス が含まれている画像

自動的に生成された説明テキスト, 手紙

自動的に生成された説明


Executive Memory

 1973年に発売された英国製。

 


コンピューターのキーボード

自動的に生成された説明

Cambridge

1974年に発売された。

日本では、11,900円で販売された。

レンガ, 写真, 部屋, 男 が含まれている画像

自動的に生成された説明テキスト, 新聞 が含まれている画像

自動的に生成された説明ダイアグラム, 設計図

中程度の精度で自動的に生成された説明グラフィカル ユーザー インターフェイス が含まれている画像

自動的に生成された説明


Scientific

1974年に発売された。
Cambridge Programmable
と同じタイプ。

日本では、22,500円で販売された

ダイアグラム, 設計図

中程度の精度で自動的に生成された説明グラフィカル ユーザー インターフェイス が含まれている画像

自動的に生成された説明


Oxford 100

Oxford シリーズは Sinclair 社が1975年に発売した電卓。
Oxford 100
の他 150200300がある。これらは全て9Vのバッテリーを使っている。英国製。


Gillette GPA (Gillette)

Oxford 100 Gillette 社へのOEMバージョン。


Oxford 300

1975年に発売された関数電卓。
Oxford
シリーズの中で唯一青の蛍光管を使用 (他は赤のLED タイプ)。


Cambridge Programmable

1977年に発売された。
繊細で優れたデザインの多い同社の電卓を代表する機種。


Sovereign (Gold,Black,Silver type)

 Sovereign は、1977年に発売されたシンクレア社の最後のLED電卓である。当時既に安価な液晶電卓が市場に出回っており、Sovereign はこうした流れを押しとどめることも意図して発売された。しかしこうした試みは続かず、シンクレア社はその後より付加価値の高いコンピュータの分野へ進出していく。
 シンクレア社の電卓はどれもデザインが斬新であるが、その中でも特にこの Sovereign のデザインは奇抜でかつ洗練されている。本体は鉄でできており、色はSilver Black Gold 3種類、このほかにも非常にわずかではあるが、純金タイプや、純銀タイプも発売された。Sovereign のこうしたカラーは、価格の低下を抑えることを意図した戦略が背景にあった。写真にあるように電卓ケースにしても、Black はプラスチックケース、Silver は布張り、Gold は木箱となっている。こうした差別化を図ることで、電卓の低価格化に歯止めをかけ、利益を確保しようとした努力がうかがえる。
 BlackSilverGold タイプはExecutive と同様、MOMAのパーマネントコレクションにも選定されている。


広告
シルバータイプ $100
ゴールドタイプ $175

 

 


Sovereign (Silver Jubillee)

英国エリザベス女王(Queen Elizabeth II) の即位25周年(1952-1977)を記念して1977年に発売された純銀製限定バージョン。
非常に希少なもの。

 

※ケースは別のもの


Enterprise

1978年に発売されたもの。Oxford タイプと比べかなり薄型かつ小型化された。
9V
の電池は上蓋をはずして挿入する。赤のLEDタイプの表示管を使用している。