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Executive
Executive は1972年8月にシンクレア社が発売した最初のポケット電卓である。
世界で最初のポケット電卓は、1971年1月に発売されたBusicom
LE-120A であるが、Executive は厚さが9mmと極めて薄く、軽い(65g)点に特徴がある。
両者をと比較した場合、ディスプレイ、キーボード、電源などの面ではLE-120Aの方が技術的に優れており、製品の信頼性、安定性、使いよさの面でもLE-120Aの方が上回っている。しかし、Executive は非常に薄く、かつ軽く、背広のの胸ポケットに入れても全く違和感を感じないといった特徴がある。その意味でExecutive はポケットに常時入れ、携帯する「手帳型電卓(Wallet
type calculator)」のはしりとみたほうがよいかもしれない。
デザイン的にも優れており、数々のデザイン関連の賞を受賞するとともにMOMAのパーマネントコレクションにも選定されている。
当時の価格は79.95ポンドと非常に高価ではあったが爆発的に売れ、Sinclair は莫大な利益を手にしたといわれる。
日本では、レオ貿易東京株式会社というところが輸入し46,500円で販売した。リーフレットには、ヴァンジャケット社長の石津健介氏が「“ファッション屋”の感覚でとらえてゆくアクセサリーズの一つとして、我々の手で一つ一つ大切に売ってゆきたいと願っている。」と書いていることから同社は、ヴァンジャケットの関連会社と思われる。
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Executive Memory
1973年に発売された英国製。
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Cambridge
1974年に発売された。
日本では、11,900円で販売された。
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Scientific
1974年に発売された。
Cambridge Programmableと同じタイプ。
日本では、22,500円で販売された
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Oxford 100
Oxford シリーズは
Sinclair 社が1975年に発売した電卓。
Oxford 100 の他 150、200、300がある。これらは全て9Vのバッテリーを使っている。英国製。
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Gillette GPA (Gillette)
Oxford 100 のGillette
社へのOEMバージョン。
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Oxford 300
1975年に発売された関数電卓。
Oxfordシリーズの中で唯一青の蛍光管を使用 (他は赤のLED タイプ)。
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Cambridge Programmable
1977年に発売された。
繊細で優れたデザインの多い同社の電卓を代表する機種。
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Sovereign (Gold,Black,Silver
type)
Sovereign は、1977年に発売されたシンクレア社の最後のLED電卓である。当時既に安価な液晶電卓が市場に出回っており、Sovereign
はこうした流れを押しとどめることも意図して発売された。しかしこうした試みは続かず、シンクレア社はその後より付加価値の高いコンピュータの分野へ進出していく。
シンクレア社の電卓はどれもデザインが斬新であるが、その中でも特にこの Sovereign のデザインは奇抜でかつ洗練されている。本体は鉄でできており、色はSilver Black Gold の3種類、このほかにも非常にわずかではあるが、純金タイプや、純銀タイプも発売された。Sovereign のこうしたカラーは、価格の低下を抑えることを意図した戦略が背景にあった。写真にあるように電卓ケースにしても、Black はプラスチックケース、Silver は布張り、Gold は木箱となっている。こうした差別化を図ることで、電卓の低価格化に歯止めをかけ、利益を確保しようとした努力がうかがえる。
Black、Silver、Gold タイプはExecutive と同様、MOMAのパーマネントコレクションにも選定されている。
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シルバータイプ $100
ゴールドタイプ $175
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Sovereign (Silver Jubillee)
英国エリザベス女王(Queen Elizabeth II) の即位25周年(1952-1977)を記念して1977年に発売された純銀製限定バージョン。
非常に希少なもの。
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※ケースは別のもの
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Enterprise
1978年に発売されたもの。Oxford タイプと比べかなり薄型かつ小型化された。
9Vの電池は上蓋をはずして挿入する。赤のLEDタイプの表示管を使用している。
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