電卓の薄型化のカシオとシャープの競争
1973年5月 | Sharp | EL-805 | COS-LCD 電卓 | ハンディ(液晶表示) | 厚さ20mm | 26,800yen |
1975年4月 | Sharp | EL-8010 |
| 手帳タイプ | 厚さ9mm | 9,900yen |
1976年3月 | Sharp | EL-8020 | フィルムキャリア |
| 厚さ7mm | 7.500yen |
1976年11月 | Sharp | EL-8026 |
| 太陽電池 | 厚さ9.5mm | 2,4800yen |
1977年5月 | Sharp | EL-8130 |
| ボタンレス | 厚さ5mm | 8,500yen |
1977年5月 | Casio | LC-81 |
| ポケット | 厚さ8mm | 6,800yen |
1978年1月 | Casio | LC-78 |
| 名刺サイズ | 厚さ3.9mm | 6,500yen |
1978年6月 | Sharp | EL-8140 |
|
| 厚さ3.8mm | 7,000yen |
1978年11月 | Casio | LC-79 |
| クレジットカード | 厚さ2mm | 5,900yen |
1978年11月 | Casio | LC-785 |
| 名刺サイズ | 厚さ3.9mm | 4,900yen |
1978年11月 | Sharp | EL-8139 |
|
| 厚さ3.8mm | 4,900yen |
1979年3月 | Sharp | EL-8152 |
|
| 厚さ1.6mm | 7,900yen |
1983年4月 | Casio | SL-800 |
| クレジットカード | 厚さ0.8mm | 5,900yen |
1984年12月 | Sharp | EL-900 |
| クレジットカード | 厚さ0.8mm | 7,800yen |
(⇒ 詳細)
資料)岡野宗彦著「カシオ計算機」朝日ソノラマ他により作成
|
|
 | SL-800 (Black)
MoMA パーマネントコレクションに選定されているタイプ。
グッドデザイン賞も受賞している。
| |
|
|
|

Coutesy of Mr.Kariya | SL-800 (White)
Black と同じデザインを採用。
グッドデザイン賞を受賞。 | |
|
|
|
 | SL-800 (Gold)
Black と同じ時期発売されたがデザインは異なる。 | |
|
|
|
 | SL-800 (Blue)
Black と同じ時期発売されたがデザインは異なる。
| |
|
|
|
 |
SL-800 type2 (White)
上記の SL-800 の後継タイプ。
数字が大きくなり見やすくなり、ボタン部分には突起ができ押しやすくなった。
また、後ろのデザインも太いストラップデザインがなくなりシンプルになった。
| |
 |
|
|
 |
SL-800 type2 (Gray)
Gray タイプ。
| |
|
|
|
発売時のパンフレット。5色が示されている。この時点ではSL-800 type2 は載っていない。

こちらのパンフレットでは4色しか表示されていない。水色のタイプが実際に販売されたのか疑問。
グッドデザイン賞を受賞しているが、パンフレットでは黒と白のタイプにだけグッドデザインのマークが付いている。 |
|
(日経新聞1983年11月22日朝刊)
カシオ計算機は二十一日、厚さ〇・八ミリメートルの超薄型電卓「SL―800」を二十二日から販売すると発表した。価格は五千九百円。月間三十万個を製造、販売する。
SL―800はLSI(大規模集積回路)、液晶表示板、太陽電池などの部品をすべてフィルム状にし、これらを接着剤ではり合わせるという新生産方式をとり入れたカード型電卓。厚さは従来、もっとも薄い電卓(シャープ製の厚さ一・六ミリメートル)の半分になった。
カシオは開発当初(ことし四月)、月産十五万個の規模で生産を始める計画だったが、国内外から大口需要が舞い込んでいるため急きょ生産規模を二倍に引き上げ、販売を始めることにした。
(日経新聞1983年6月6日朝刊)
カシオ計算機は九月に発売する予定の超薄型電卓の月間生産量を、当初予定していた十五万個から三十万個に倍増する方針を決めた。市場調査の結果、予想を大幅に上回る需要が見込めると判断したため。生産拠点である甲府工場(山梨県中巨摩郡玉穂村)の設備を急きょ増強し、発売時期に間に合うよう生産体制を整える。
この超薄型電卓は厚さ〇・八ミリメートルの「SL―800」。部品をすべてフィルム化し、生産工程を完全に自動化できるのが特徴。カシオは約三億円を投じて甲府工場内に試作生産ラインを設けているが、同電卓の本格生産開始に伴い約六億円をかけて設備を完成させることにしていた。急きょ生産量を倍増させる方針を決めたことにより設備拡張の必要があるが、追加投資額は今のところ未定。
カシオが予定している価格は国内六千円、米国二十四ドル九十五セントで、八けた演算用の電卓にしては既存製品(小売価格二千―三千円)に比べかなり高い。このため同社は当初、自動生産機種としては控え目の月産十五万個という計画を立てた。
これは超薄型電卓の購入者は既存のカード型電卓を持ち歩いているビジネスマンが大半を占め、しかも買い替え需要が中心になると予想していたことも一因。しかし市場調査の結果、商店、主婦、学生などを含む幅広い層からの需要が期待できるとともに、買い増し需要が中心になるという見通しを得たため生産量修正に踏み切った。
カシオの電卓の生産量は現在、月間約二百五十万個で、このうちカード型は同五十万個。超薄型の市場への投入によって既存のカード型の需要減少が予想されるので、発売当初の段階で早くも超薄型の販売量がカード型全体の四〇%前後を占めることになるとみられる。 |
|
(資料出所) 松本裕之 答え一発!カシオ計算機 (花華留多) |
|