ユニトレックス デスクトップ電卓 (Unitrex desktop calculator)
(栄光ビジネスマシン)

 Unitrex は高橋重年が1936年設立した栄光ビジネスマシン社の電卓のブランド名である。「ユニット」はただ一つ「レックス」はラテン語で王様を意味する。
 高橋重年は、1913年山形市で生まれ、戦後舶来品の古着商から事業を起こし、1956年、ジーンズ生地の輸入・縫製ならびに製品の卸小売会社「栄光商事株式会社」を設立した。その後、計算機事業に乗り出し、1961年1月電動加算機の製造販売会社 栄光ビジネスマシン社を設立した。設立当初はたった12人の会社であったが、その後急成長し電動加算機の分野でトップに立った。63年には国内販売を主とする「ユニトレックスセールス株式会社」を設立した。その後、電卓分野に進出し1968年11月には同社最初の電卓ユニトレックスIC8を完成、発売した。1971年から73年にかけて米国に「エイコーインターナショナル」、「ユニトレックス オブ アメリカ」、「フロンティア インク」の3社を設立し社長、会長を兼任した。LSIについては米国カルテックスセミコンダクター社に資本参加し、LSIの提供を受け電卓を製造した。
 1974年のビジネスマシーンズ・イヤーブックによると、当時栄光ビジネスマシン社は本社が浜松町の世界貿易センタービルにあり、工場が千葉県松戸市と茨城県土浦市にあった。総売上高は年120億円で従業員数が950名いた。また、ユニトレックスセールスは本社が新宿区荒木町にあり、大阪、名古屋、札幌、福岡、仙台に支店・営業所があった。売り上げは年20億円で従業員数が120名であった。両社とも代表者はともに高橋重年である。
電動記録加算器 E210




Photo courtesy : Mr.Frank Boehm

Unitrex IC8 (栄光ビジネスマシン)

1968年11月に栄光ビジネスマシンより発売されたユニトレックスIC8。
桁数は8桁と少ないがICを使うことにより小型で軽量化されていた。
価格は158,000円だった。

21×29×9.9cm。 2.9kg。





GLORIA IC1224 (太陽ビジネスマシン)
(ユニトレックス IC 12)

1960年代後半に太陽ビジネスマシン社より発売されたIC電卓。
栄光ビジネスマシン社のユニトレックス IC12のOEM製品。
電動計算機と似たデザインとなっている。
220(W)×290(D)×150(105)(H)mm。 3.0kg。
125,000円。

→電子科学1970年7月号記事









Photo courtesy : Mr.T.Yoshida

Unitrex 1200

1971年に発売された。
29,900円。




Photo courtesy : Mr.T.Yoshida

Unitrex 1200M

1972年に発売された。
44,800円。
1つのLSIに演算回路とメモリー回路を組み込んだ世界最初の電卓。



UNITREX 1200K






Photo courtesy : Mr.Toshiro Hata

Unitrex 1201M

1974年発売。12桁1メモリー電卓。
38,500円。





Photo courtesy : Mr.Toshiro Hata

Frontire 2100 (Frontire)

1972年発売。
フロンティア社は栄光ビジネスマシン社を設立した高橋重年が1972年頃米国に設立した会社。
主に栄光ビジネスマシン社が製造した電卓のOEM販売を行っていたとみられる。
このFrontire 2100もUnitrexシリーズのOEMマシンである。
日本製。