![]() | MD-5号
1964年3月に発表された試作機。ハイブリッド集積回路(IC)を使用し、メモリーに磁歪遅延線を使用するなど当時としては最先端の技術を搭載していた。 とくに、 (1)10桁(答えは20桁)の四則演算が極めて迅速にできる。 (2)答えはネオン管で表示され、非常に見やすい。 (3)演算は全く無音。 (4)形状は英文タイプライターくらいの大きさで、軽く、持ち運びが容易にできる。 (5)演算キーがわずか5個で、代数式の順序で演算ができる。 といった、今日の電卓の機能からみれば当たり前のことではあるが、当時としては驚くべき機能を有していた。 MD-5号は同じく3月にニューヨークで開かれた世界電子工業展覧会と、4月のニューヨーク世界博覧会の日本政府館に特別出品された。 MDのMは知恵の女神ミネルバ(Minerva)、Dは試作ナンバーを表している。 MD-5号は発売されず、実用化に向けてさらに改良が続けられた。MD-6号では小数点表示が可能になり、MM-7号機ではさらに小型軽量化が図られた。MX-11 号機で開発は終了し、1967年6月にICC-500型SOBAXとして発売された。 <仕様> キー:テンキー方式 表示:10桁(答えは20桁)、ネオン表示管 電源:AC90〜117V、50/60Hz 消費電力:30W 寸法:350mm(幅)×430mm(奥行)×220mm(高) 重量:約10kg | |||||||||||||||||||||
![]() 日経新聞広告(1967年5月20日) ![]() ![]() | SOBAX ICC-500
1967年6月に発売されたソニーの最初の電卓。当時の価格 260,000円。 非常に高度な技術を駆使した先進的電卓で、モジュールICの採用、磁歪遅延腺の開発、数字表示管の改良などが行われていた。特にオペレーティング・システムについては先進的であった。例えば、それまでの計算機においては計算をしていないときにおいてもディスプレイに00000と桁数分の0が表示されていたが、SOBAXでは使う桁以外の0を消すゼロ消去が取り入れられた。さらにフローティング・デシマル、四捨五入方式の案出、パーセント表示や逆数をとることなど、あらゆる考案がなされた。 しかし、設計者の永野氏によるとこうした高度な技術だけでなく気が付かないような様々な工夫やこだわりがICC-500にはあるという。 まず取っ手である。ICC-500には、ソニーのポータブルへのこだわりから持ち運び用の取っ手がついている。これは森田氏のアイデアだという。またあまり知られていないが本体の後ろには充電池を搭載するための穴があいている。当時これだけの大きさの電卓を持ち運んで電源のないところで使うという発想をソニーが既に持っていたということは驚きである。充電池を使うということからすればSobax ICC-500 は世界で最初のポータブル電卓であるということもできる。 また躯体のデザインについてもこだわりが随所にみられる。本体は強化プラスチックでできているが、そこに非常にわずかではあるが曲線が用いられている。これは大賀氏のアイデアということであるが、技術者にとっては非常に厳しいハードルだったという。またトランジスタを1000個近く使用する為、本体内の熱処理をどうするかが課題となる。当時の電卓はファンをつけたり上部に喚起のための穴が設けられたりしたが、SOBAXにはファンがなく上部に通風孔を設けていない。これも1つのこだわりである。またキーボードの部分も操作しやすさのため、如何に薄くするかが大きな課題であったが、クランクを利用して薄型化を図ることとした。さらに表示部分は光の反射を防ぐ為、ガラス面が垂直に配置された。 このようにICC-500には様々な工夫、アイデアが満載されていた。 ICC-500はその歴史的役割を評価されアメリカのスミソニアン博物館に所蔵された。 |
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ICC-500の内部
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![]() Phote courtecy : Mr.T.Yoshida | SOBAX ICC-510
1969年に発売された。当時の価格 228,000円。 |
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![]() | SOBAX ICC-400W
SOBAX ICC-400Wは1969年頃発売された電卓。ソニーの最初の電卓である ICC-500 と形状は同じだがキー配列など若干異なっている。 価格など詳細は不明。 |
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SOBAX 400 の内部
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![]() Phote courtecy : Mr.T.Yoshida | SOBAX ICC-610S
1970年に発売された。当時の価格は 258,000円。 |
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![]() Phote courtecy : Mr.T.Yoshida | SOBAX ICC-610S
1970年に発売された。当時の価格は 258,000円。 |
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![]() Phote courtecy : Mr.T.Yoshida | SOBAX ICC-720
1970年に発売された。当時の価格 260,000円。 |
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![]() | SOBAX ICC-2500
1969年10月に発売された。当時の価格328,000円。 |
ICC-2700 ![]() ICC-2700 ![]() |
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![]() | SOBAX ICC-1600
1970年2月に発売された。当時の価格 145,000円。 |
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![]() Courtesy of Joerg Woerner | SOBAX ICC-1500
1970年3月に発売された。当時の価格 153,000円。 | |||||||||||||||||||||
![]() Brochure of Sobax ICC-100
| SOBAX ICC-100
1971年に発売された16桁1メモリー電卓。当時の普及型電卓は、大きさと価格の点から、12桁以下の機種が常識となっていたが、ソニーは新開発のプラニトロン(平面表示管)とMOS LSI の採用により、16桁フル表示、フル計算が可能にもかかわらず 92,800円という低価格を実現した。またICC-100のサイズは、228(W)×80(H)×280(D)mm で重量も3kgとなっており当時の16桁電卓の中では世界最小、最軽量であった。 デザインも優れており、今でも古さを感じさせない。1971年のグッドデザイン商品に選定されている。本体上部には持ち運びのための把手がついている。92,800円。 その後ソニーは16桁2メモリーで開平計算機能がついたSOBAX ICC-200を153,000円で発売する。ICC-200は、210(W)×66(H)×245(D)mm とICC-100 より一回り小さく、重量も2kgと ICC-100より1kg も軽量化されている。 |
ICC-200 ![]() |
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![]() | SOBAX ICC-88
1971年に発売されたソニー唯一の携帯型電卓。デスクトップで使うときはチャージャーにセットして使う。本体には充電池が内蔵されており、充電5時間で2〜3時間使用できる。 演算素子には MOS LSIを使用し、表示には8桁の平面表示管(プラニトロン)を使用している。計算は計算式どおりで、16桁まで計算可能。 176(W)×65(H)×164(D)mm。 176(W)×49(H)×100(D)mm(本体のみ)。 1.7kg (本体のみ880g) 79,800円。 (当博物館のICC-88 は、状態が良くなく部品がかなり欠けている。) |
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![]() | SOBAX ICC-700
1972年3月に発売されたカセットが計算式を記憶しているため、数字とイコールキーを押すだけで自動的に答えが求められる。当時の価格は198,000円。 |
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![]() | SOBAX ICC-300
1973年に発売された。当時の価格は69,800円。ICC-300シリーズは、オフィス用電卓に必要なほとんど全ての機能を網羅した高性能ポータブル計算機であり、内訳は、ベーシックタイプのICC-300、事務処理の機能を強化した、ICC-330、統計処理の機能を強化したICC-350からなる。 このシリーズは、機種により機能の違いはあるものの、 ・小型、高性能、高信頼性 ・理想的な小数点方式 ・計算式どおりの操作、不要なゼロの消去、自動クリヤー方式 ・見やすい”ニュープラニトロン” ・豊富な演算機能 ・高級タイプライターのフィーリングを持つキースイッチ といった共通の特徴を持っていた。 16桁。サイズ 204(W)×70(H)×213(D)mm。約1.6kg。 ICC-300シリーズの演算機能
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![]() | SOBAX ICC-107
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本稿の作成に当たっては当時jソニーの技術者でSobaxの開発に当たられた永野厚氏より貴重なお話をうかがうことができました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。 |
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